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​美し酒、美し水

度重なる戦火に焼かれてしまった伏見のまち

追い打ちをかけるように京の都は首都機能を失い

商業・産業の面においても大きな危機に直面します。

 

頼みの綱となるのは、かつて秀吉も目を付けた水運

明治維新による技術革命が日本にももたらされ

伏見は蒸気船が日々往来する巨大な港となります。

 

しかしその躍進もつかの間、大阪・京都間に鉄道が敷かれ

陸運が主流になるにつれ、伏見の水運は勢いを失っていきました。

 

そんな状況で、水都・伏見のライバルである陸運・鉄道を利用し

伏見から日本中に広まっていったものが、

この危機から脱しようとするまちを支えました。

 

それが、伏見の日本酒です。

 

それまでも、酒どころとして知られていた伏見ですが

鉄道によって伏見の日本酒が

全国に広まっていったことによって

名実ともに日本屈指の名酒のまち、伏見となったのです。

 

ゆたかな水は、これまでも水運として伏見のまちの歴史を育み

そして現在も酒という姿で伏見のまちを、人々の暮らしを支えているのです。

 

8につづく

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